新年のご挨拶
年頭にあたり、ごあいさつを申し上げます。
これまで我々は、商業施設を主なクライアントとした数多くのプロジェクトを手がけてきました。特にここ数年は地域との橋渡し役を担うことで、周辺エリアのにぎわい創出やコミュニティづくりに貢献できたと自負しています。おかげさまで、クライアントからご相談いただけるプロジェクトも増え、リライトの組織も大きく成長することができました。
一方で、2008年8月のリライト設立から約10年が経過し、特に2019年は「これからの10年」について考えさせられた年だったように思います。クライアントと共に、“場所づくり”を構想することから関わり、そして地域と共に場所を育てていく行為は、決してすぐに結果が伴うわけでは有りません。
この10年は頂いたお仕事を、がむしゃらに、ただ真摯に向き合うことだけで精一杯だったように思いますが、これからの10年はもう少し、これまでやってきたことを振り返りながら、理論として体系化、さらにそれらを他でも実践していくことにも時間を割いていきたいと思うようになりました。
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まずは、やってきたことを整理しようと、ここ数年我々が時間をかけてきたプロジェクトをアワードに応募することからはじめてみることにしました。長い年月をかけた3つの取り組みを同時に振り返る作業は、それぞれの取り組みの背景や、アプローチの違いなどを相対化する意味でも、意義のある作業だったと思います。
特にスタッフにとっては、プロジェクトの合間を縫っての作業だったこともあって、同時に3つの応募はかなりの負担だったのではないかと思います。おかげさまで、応募した3つの取り組みすべてでグッドデザイン賞を受賞しました。
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また、2019年春頃にサイトのプチリニューアルを行い、サイトトップに、これからの10年を見据えたリライトの組織像を掲げさせて頂きました。
https://www.re-write.co.jp
「クライアントワークを通じた“都市”に対する思考実験」と、「自主プロジェクトを通じた“都市”に対するアクションリサーチ」の架橋を我々の唯一無二の強みにしていくべく、まずは都市計画学会への査読論文投稿を通じて、2005年以来遠ざかっていた都市研究活動を徐々に再開してみました。
おそらく、このテーマでの研究に終わりはないと思いますが、近々これまでの研究成果をまとめていきたいと考えております。
(もみやま)
【1】コトニアガーデン新川崎が「2019年度 グッドデザイン・ベスト100」 を受賞!
コトニアガーデン新川崎が「グッドデザイン・ベスト100」、ウエリスオリーブ成城学園前とクマガヤプレイスは「グッドデザイン賞」に選ばれました。
■コトニアガーデン新川崎|2019年度グッドデザイン・ベスト100
レンガ壁による広場創出と余白のデザイン
https://www.g-mark.org/award/describe/49494
【概要】
「多世代交流のまちづくり」をテーマに、JR東日本社宅跡に計画された大規模複合開発プロジェクト。店舗、賃貸住宅、高齢者サービス施設、認可保育園などにより断片化された敷地内の空地と通路を“80mのレンガ壁”でつなぎ、地域の人たちや住民・利用者のためのパブリックな広場に再構成。コミュニティが生まれる“余白”をデザインした。
■ウエリス調布の森・ウエリスオリーブ成城学園前|2019年度グッドデザイン賞
多世代複合型集合住宅
https://www.g-mark.org/award/describe/49373
【概要】
武蔵野の森が色濃く残るエリアでの「サービス付き高齢者向け住宅」と「分譲住宅」の複合開発プロジェクト。住宅用途に加え、住民間の交流を育む豊かな共用空間と地域に開くレストランカフェを併設。“家族、居住者、地域、そして時間をつなぐ”を開発テーマとし、多世代が地域とつながりながら心地よく共生できるデザインを実現している。
■クマガヤプレイス|2019年度グッドデザイン賞
駅ビル最上階の“地域とともにつくる”広場
https://www.g-mark.org/award/describe/49764
【概要】
地方中核都市の駅ビルの遊休スペースを活用し、デザイナーが駅ビル事業者と共同で運営するカフェ&コミュニティスペース。かつての駅周辺の賑わいを取り戻すべく、地元事業者はじめ地域の人たちとDIT(Do It Together)することで、“自立的“で“吸引力“ある場づくりを実践。行政をも巻き込む取り組みとして広がりつつある。
【2】都市計画学会一般研究論文(査読付き)の掲載のお知らせ
籾山真人, 十代田朗,「メディア運営および拠点開発を通じた地域コミュニティづくりの実践 – 立川プロジェクトを事例として」, 都市計画学会論文集, 日本都市計画学会, No.54-2, P.171-178, 2019年10月 >>>link
籾山真人, 十代田朗,「鉄道会社によるメディア運営および拠点開発を通じた地域コミュニティづくりの実践 – 中央線高架下プロジェクトを事例として」, 都市計画学会論文集, 日本都市計画学会, No.55-1, P.49-57, 2020年4月 >>>link
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